“人は環境の子なり” 
“どの子も育つ 育て方ひとつ”
“先生しだい・親しだい”

スズキ・メソード幼児教育研究会
会長 土居孝信

土居孝信会長

 いつの時代も子どもたちの笑顔ほど尊いものはありません。そんな平和な社会を希求し、私たちは、子どもに寄り添い、幼児教育の実践をいたします。
 
 スズキ・メソード創始者である故鈴木鎮一先生が提唱された「才能教育運動」に世界の多くの教育者が賛同した中で、松本・白百合幼稚園創立者の故田中茂樹先生が幼児教育(才能教育)をさらに広く、深めていくために1983年10月11~14日、第1回スズキ・メソード幼稚園研修会が始まり、2004年までの間、1998年鈴木鎮一先生のご逝去など幾多の試練を乗り越えて研修会を実施されていましたが、田中茂樹先生の体調不良、そして2009年には、田中茂樹先生のご逝去に伴い、研修会の継続ができなくなりました。
 
 しかし、2013年の才能教育の機関誌の取材をきっかけに、当時田中先生に薫陶を受けた仲間が集まり、各園での才能教育運動の実践をさらに深めていこうとする機運が芽生えました。その結果、改めて、2014年に松本・白百合幼稚園園長(当時)の江口純弘先生を会長として「スズキ・メソード幼児教育研究会」を発足し、同年、8月8日に公益社団法人才能教育研究会鈴木裕子会長(当時)と当会の江口純弘会長との間で、提携調印を行ない、復活第1回の夏期研修会を再開する運びとなりました。
 
 スズキ・メソード70年の足跡の中で全国に多くの同志の皆様に連絡が及ばず、会の発足となったことをお詫びするとともに、故鈴木鎮一先生、故田中茂樹先生の遺志を引き継ぎ、公益社団法人才能教育研究会とともに「世界中の子どもたちの幸せ」のために、スズキ・メソードによる幼児教育を広く、深く、研鑽・伝道してまいりたいと思います。
 
 つきましては、全国の仲間とさらなる研究を深めてまいりたいと思いますので、ご連絡をお待ち申し上げます。
 
 


 
 

幼児教育研究会への期待

公益社団法人 才能教育研究会
会長 早野龍五

才能教育研究会・早野龍五会長

 
鈴木鎮一先生は、今から120年前の1898年にお生まれになり、終戦直後の1946年に、才能教育運動を始められました。鈴木先生の「どの子も育つ」という強い信念は多くの方々の共感を呼び、また、子どもたちがりっぱにヴァイオリンを弾きこなす姿は、世界中に感動を与えました。その結果、スズキ・メソードは、46の国と地域に広がり、今では、全世界で40万人以上の子どもたちが、音楽を通して育ちつつあります。
 
 スズキ・メソードの教育法は、鈴木鎮一先生が「日本中の子どもが日本語をしゃべっている!」という事実に驚き、その事実に誰も気づかないことに更に驚いたことから生まれました。優れた音楽を聞き、繰り返し練習することで、子どもが母語を身につけるのと同様に、音楽やその他さまざまな能力を伸ばしていく「母語教育法」がスズキ・メソードの根幹です。
ともすれば「才能教育=英才教育」と誤解されがちなので、才能は能力と言い換えても良いかと思います。鈴木先生は常々、「音楽家を育てることを第一の目標とするのではない、りっぱな人間を育てたいのだ」と言っておられました。
 
 そのお考えは、ご著書『愛に生きる』(講談社現代新書)に記されています。この本が1966年の初版以来、現在までに実に94刷を重ね、半世紀を超えて読み継がれていることは、鈴木先生の教えが時代を超えた普遍的なものであることの証であると思います。
 
 さて、幼児教育研究会は、鈴木先生が基礎を作られた幼児教育の真髄を、現代の幼稚園事業の中に、積極的に取り入れようとされている全国の幼稚園の園長先生を中心とする研究会です。
 
 最近、幼児教育への関心が高まり、幼児期に、やる気、忍耐力、協調性など、いわゆる非認知能力を育むことの重要性が注目されるようになりましたが、鈴木先生は半世紀以上前から「良い音楽を聴き、演奏することを学ぶことによって、子どもたちが感受性、規律、忍耐力などを身につけること、やり抜く能力を育てること」を重視しておられました。
 
 幼児教育研究会の方々は、鈴木先生の唱えられた 1.より早き時期、2.より良き環境、3.より多き訓練、4.より優れたる指導者、5.より正しき指導法、を幼稚園教育で実践してくださっています。幼児教育が注目されている中で、今後益々の発展を期待します。
 
 


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